「子どもが学校に行けなくなった」。その現実に直面した時、親御さんがパニックになり、「どうにかして明日は行かせなきゃ」と焦ってしまうのは当然のことです。
しかし、初期段階での焦りは、お子さんをさらに追い詰め、状況を長期化させてしまう原因になりかねません。親御さん自身が落ち着き、お子さんにとっての「次の一歩」を正しくサポートするための具体的な3つのステップを解説します。
ステップ1:休む(心のエネルギーを充電する)
一番最初に行うべき、そして最も重要なステップは「完全に休ませること」です。 学校に行けないお子さんは、決して怠けているわけではありません。コップの水が溢れてしまったように、心のエネルギーが完全に枯渇している状態です。
「なぜ行けないの?」と理由を問い詰めない
本人にも理由がわからないことがほとんどです。問い詰められることで「行けない自分はダメなんだ」と深く傷ついてしまいます。
家を「絶対的な安全地帯」にする
学校の話題は一旦横に置き、まずはしっかり寝て、好きなこと(ゲームや動画でも構いません)をして過ごさせてあげてください。「ありのままのあなたで家にいていいんだよ」という安心感が、エネルギー回復の第一歩です。
学校との連絡は親がコントロールする
毎朝の欠席連絡がプレッシャーになる場合は、学校と交渉して「週に1回のメール報告」などに切り替えてもらい、親子ともに休める環境を作りましょう。
ステップ2:知る(親が先回りして「選択肢」を集める)
お子さんが家でゆっくり休んでいる間、親御さんは「情報収集」という大切な役割を担います。ポイントは、子どもを無理に連れ出さず、まずは親御さんだけで動くことです。
第三者の専門家に相談する
親だけで抱え込まず、板橋区の「教育支援センターの無料相談窓口」などを利用し、現状を専門家に話して客観的なアドバイスをもらいましょう。
「学校以外の学び場」をリサーチする
フリースクール、通信制高校、オンライン学習、適応指導教室など、今の時代にはたくさんの選択肢があります。「ここならうちの子に合うかもしれない」という候補をいくつか見つけておきます。
制度について知る
「フリースクールに通えば出席扱いになる制度」や「利用できる補助金」など、現実的な制度やお金の知識を身につけておくことで、親御さん自身の将来への不安(焦り)が大きく軽減されます。
ステップ3:動く(子どものタイミングで一緒に見学へ)
家で安心して過ごすうちに、お子さんの表情が明るくなり、「暇だな」「何かやってみようかな」と自発的なサインを出し始める時期が必ず来ます。これが「動く」タイミングです。
集めた選択肢を提案してみる
「こんな場所があるみたいだけど、ちょっとだけ見てみる?」と、ステップ2で集めた情報を軽く提示してみましょう。決して強制はせず、断られたらすぐに引き下がります。
ハードルの低いところから始める
いきなり毎日通う必要はありません。「まずはオンラインで見学してみる」「午後から1時間だけフリースクールに行ってみる」など、お子さんが「それくらいならできそう」と思えるスモールステップを設定します。
「合う・合わない」は子どもの感覚を最優先に
親から見てどんなに素晴らしいカリキュラムの施設でも、本人が「雰囲気が怖い」「合わない」と感じたら、そこは正解ではありません。お子さんが自然体で、笑顔でいられる居場所を探すことがゴールです。
やってはいけない!初期対応のNG行動
- 無理やり引きずって登校させることの危険性(トラウマ化による長期化)。
- ご褒美で釣る、または罰を与えることの無意味さ。
- 夫婦間で教育方針を巡って対立すること(子どもが余計に責任を感じてしまう)。
個々の子どもたちの状況は異なりますので、これらはヒントでしかありません。初期段階で「何をすべきか」「何をしてはいけないか」を親御さんが落ち着いて考えられるよう、応援しています。
この記事を書いた人(著者)

本橋 悦子
【資格・職歴】
- 心理カウンセラー
- アドラー心理学カウンセラー
- 英語教室の経営・運営に13年従事
- フリースクールの運営に3年従事
- 子ども発達障がい支援実務士
- 二児の母


