フリースクール・適応指導教室・サポート校の違い
不登校の支援を行う施設として、フリースクール以外にも「サポート校」「適応指導教室」があります。それらの違いについて解説したいと思います。
フリースクール
運営機関や目的
フリースクールの多くは、個人やNPO法人・社団法人などの民間機関が運営しています。
学習面のサポートもおこないますが、主に生活面や精神面の安定、意欲の回復などを目的としていて、子どもたちの居場所としての役割を担っています。フリースクールに入るための制限はありません。
カラキュラムなど
フリースクールは決まったカリキュラムがなく、その日に何をするかを本人が選択できるところや、時間割が決まっているところなど様々です。
出席扱い
フリースクールは小中学校と連携していることが多く、在籍校の校長が認めた場合はフリースクールへの登校が学校の出席扱いとなります。
サポート校
運営機関や目的
サポート校のほとんどは、民間の予備校や学習塾が運営しています。通信制高校に通う生徒に対して、3年間で卒業ができるよう単位取得・進級などに必要とされる勉強や精神面での支援を行うことであり、「塾」や「予備校」に近いと言えます。大半のサポート校は通信制高校と提携しており、サポート校入学の際には通信制高校への同時入学が必要です。
カラキュラムなど
サポート校は民間の教育機関です。通信制高校を運営する学校法人がサポート校を設置していることもありますが、塾や予備校を運営する民間法人が運営していることもあります。そのためサポート校ごとに、支援内容や学費に違いがあります。
出席扱い
出席扱いにできる制度の対象は小中学生のみなので、通信制高校に通う高校生は対象外です。
適応指導教室(教育支援センター)
運営機関や目的
適応指導教室は、市町村の教育委員会が運営する施設で、不登校の小中学生を対象にしています。子どもたちに安心できる場所を提供し、学校復帰を目指して、集団生活への慣れ、感情の安定、学力や生活習慣の改善をサポートします。
カリキュラムなど
適応指導教室は1日のカリキュラムが組まれていてそれに沿って過ごすことが多いです。カリキュラムが決まっていることで求められている指導とのズレが生じる場合もあります。ここでは居場所の提供が大きな目的となっているため、居場所が必要なお子さんにはニーズがあります。しかし、学習面については多くが独学で取り組まなければなりません。
出席扱い
適応指導教室は通うことで在籍校の出席扱いとなります。
違いのまとめ
フリースクール・サポート校が民間運営であるのに対して、適応指導教室は、各市町村の教育委員会が管轄する施設です。
フリースクールは、小・中・高生を対象にしています。適応指導教室は小・中学生を対象としています。サポート校は、通信制高校に通う生徒(高校生、もしくは卒業見込みのある中学生)を対象にしています。
出席扱いの制度自体が義務教育である小中学校の生徒を対象にしたものです。フリースクールの小中学生や、適応指導教室に通う小中学生は対象になりえます。サポート校の高校生は制度の対象外となります。
この記事を書いた人
本橋 悦子
・フリースクール ビリーバーズ板橋 運営
・心理カウンセラー
・アドラー心理学カウンセラー
・英会話教室の講師
・子ども発達障がい支援実務士
・二児の母